あなたの命が1ヶ月しかないとしたら、何をしますか?
私は38歳の10月に左胸にしこりを発見してしまいました。
それは、ピンクリボン月間という時期で、
yahooなんかにもそのイベント記事が取り上げられていて、
普段の身体の疲れもあったので、
「まさか私にしこりなんて・・」
って軽い気持ちで触ってみたんです。
「???これ肩こり???」
そんな感じのグリグリでした。
「右にはあるのかな?」
右にはなく・・・
これは、もしかしてそれに違いないかも・・って、
その場で女医さんしかいないクリニックを探して、
診察を受けました。
マンモグラフィを受けた後、看護師さんが慌ててきて、
「もう一度、お願いできますか?」って聞いてきたんです。
心の中では・・、「大丈夫です」って言われる再検査なのか、
それとも、すでに悪い結果がでてるから間違ないように・・なのか、
心の焦りを抱えたまま2度目のマンモグラフィ。
診察までの待ち時間が長く感じられたことは言うまでもありません。
先生が丁寧に、私の胸にある球体の細胞を説明し始めました。
そこに光る点があちこちにちらばっている。その点を指しながら、
『これが、癌細胞です。8割、9割で悪性の可能性が高いでしょう。早めに大きな病院で診察してもらってください。 紹介状書くんで。』
「あ、ひとりで告知受けちゃった・・・」
「やっぱり、癌だったかぁ。。でも、会社休める!」
「あ、でも命が1ヶ月しかないって言われたら、どうしよう。やり残しいっぱいあるから、何しよう!!!」
悲しむどころか、会社を堂々と休めることに喜びを感じ、
もし命が1ヶ月しかないとしたら、
限られた時間で何ができるかリストアップしなくちゃいけないと
考えていたほど元気になる始末。
きっと、癌細胞も驚いたに違いありません。
結局、1ヶ月どころか、あれから12年経過しているので、
私にとって人生の大きな転換期になったことは間違いありません。
闘病生活の中で、唯一泣いたのは、抗がん剤で髪の毛が
ほぼ抜けた時・・・。
母から「薬が効いてきた証拠だね。」と言われても、
女性としては、やっぱりショックだったな。
それ以外は、会社も休み、3食昼寝付きの生活で、
今まで仕事漬けだった生活から離れて、
朝寝坊したり、料理したり、TV見たり、本読んだり、映画見たり、
運動だけできなかったり、人ごみに行くことはできなかったけど、
家にいても楽しめるものはたくさんあった。
友達も普通に接してくれて、家に遊びに来てくれたりして、
私、何のために働いていたんだろうな~
を考えさせられた時期でした。
出世欲が強くて、頑固者で、負けず嫌いで、完璧主義。
できないことを指摘されたくなくて努力したんだけど、ガス欠になったみたい。
自分の容量を理解しろ!って神様からつきつけられたようでした。
だから、仕事に復帰した時は同じようにならないように気を付けていたんだけど、
やっぱり環境って恐ろしく、同じクセが出やすいんですよね。クセがでると、必ず体調にも異変が出てました。やっぱり、ガン恐るべし!
なので、そのガンのお陰で、がんばりすぎずに今も生きてます。
そこで学んだ教訓は、「自分がやりたいことをやりなさい」
な~んか、私は賞賛を得るために生きていたようなものだったので、
それを手放して、周りがなんていっても「やってみたい!」ことに
時間を使うようにしました。
もちろん、最初からうまくはいかなかったので、
自分の棚卸を何度も何度も繰り返し、そういう自分なんだって
言い聞かせて、今、その好きな活動を続けています。
「やりたいことがみつからない」人が多い・・・という話を最近聞きます。
それは命が無限にあると勘違いしているからかもしれない。
さて、
『あなたの命が1ヶ月しかないとしたら、何がしたいですか?』