自分の価値観を大切にするために、相手の価値観を大切にする。
昨日は、1日コーチのための「講師養成講座」でした。
参加者の方々は、自社の中でコーチングを広めたい方や、コーチングを広めたいクラアントを支援しているコーチの皆様方。最近は、どの企業も「目標管理面談」の導入に苦戦しているお話がありました。
私自身、会社員のときに「目標管理面談」でいい思い出がありません(笑)
とあるA上司は、4月に目標を共有したら半年放置プレイ。
とあるB上司は、「君はどうしたい?」と聞いてくるので、自分の考えを述べると「それはわかるけど、どうすればいいと思う?」とツッコミが・・・。B上司が考えていることを探り当てるまで面談が続くという、ある意味拷問時間でした。間違ったコーチングをしていたようにも思います。
だけど、C上司は違うアプローチでした。
まずは部が目指す方向を共有した上で、さらに一緒に頑張っていきたい言葉を述べてから個別に面談する時間を設定していました。その上司は自分が伝えた目標に対してやってみたいこと聞くことから面談を始めたんです。情報を得てからの面談は部下として心の準備ができましたんです。
だからこそ、私自身が面談を実際にするようになって心がけてきたことがあります。
それが「価値観」。
今日はこんな記事も見つけてみました。この記事の中にも、『自分の価値観と行動が一致しないとフラストレーションがたまる』と書かれています。
実際に行ってきた例として、2つご紹介します。
・管理職の価値観が「報酬」に対して、部下が「時間」を大切にするケース
管理職からの相談でした。人手不足で残業気味の部下が不機嫌で、どのようにモチベーションをあげたらいいかというテーマでした。管理職の方の価値観は「報酬」なので、なんとかお金が増えるという言葉で部下の気持ちに応えようとするのですが、一向に変わりません。そこで、「時間」に焦点を当てた言葉がけをしてもらうことにしたんです。
「もっと効率的になるのにって感じていることある?」
「一週間で比較的帰りやすい曜日は、何曜日?」
などなど、お金が増えるからがんばれ!ではなく、忙しいけど時間を確保する方法を一緒に考えていく姿勢を見せる・・・。その姿勢を見せることで、部下のモチベーションに変化が現れました。
・リーダーの価値観が「向上心」に対して、部下が「承認」を大切にするケース
リーダーからの相談でした。ネガティブなことばかりを言う部下を放っておけず、関わってしまうと仕事の効率が悪くなって不満が募るというもの。リーダーとしてもっと仕事を覚えて上司から評価されたいのに、この部下が足をひっぱるので困っているとのことでした。昇進することに意欲的だったので、こんなアプローチをしてみたんです。
「昇進するのに必要なことってなんだろう?」
「上司はどんなひとを昇進させたいと思う?」
昇進=成果だと考えていたのですが、リーダーやマネージャクラスになると成果だけでは評価されない。やはり部下とどうコミュニケーションをとるかも評価対象になってくるということに気づいたようでした。そこからは不満ではなく、自分の対応方法を工夫することに意識が向かったようです。
お試しあれ♪