理不尽な上司にはおうむ返しとクローズドクエスチョンで炎上しない
この記事にあるように、「何を提案しても否定してくるプロジェクトリーダー」と仕事をしたことがあります。
プロジェクトはある程度、短期決戦で結果を出さなくてはいけない。だからこそ、その時に考えた最適な案を伝えるものの、なんだかんだとダメ出しをしてくる。
『なんで、ダメなんですか?他にどんな方法が考えられますか?』
って、焦れば焦るほど、責め口調になる自分にも嫌気がさしてきたりして・・。そうなったら負の連鎖の始まり・・。だんだん険悪なムードが漂って、会話自体も少なくなっていきました。
その当時の私は、「結果がでないまま指をくわえて待たなきゃいけないの?」って相手のせいにしていたんですが、ちょっとした工夫でうまくいくようです。
どうやら否定的な心理を抱えている人は、思考が停止しているので考えさせてしまうオープンクエスチョンはNG。
例えば・・
「どうすればいいと思ってるんですか?」
「何がダメだと感じているんですか?」
「どこを直したらいいと考えているんですか?」
「誰に聞けば解決するんですか?」
「何、考えているんですか?」
確かに苦手な相手や、嫌いな相手にこんな責め方されたら、ワナワナしながら『うるさーーーーーーい!少しは黙れ!上から目線になってんじゃねぇ』って心の中で怒り爆発です。以前、歯切れの悪い私に、こちらの事情も知らない部下が言ってきたセリフでした。その時も、冷静に語るより感情が前に出て、言葉が出せなかったっけ。
そんな時は、クローズドクエスチョンで少しずつ頭を使う練習をさせるそうです。
振り返ってみると、私がよくバトルした上司と円滑な対話ができるようになったのは「オウム返し」と「クローズドクエスチョン」でした。
「もっと、効率的に進められないのか!!」
「効率的に進んでいないように感じられたんですね。」
「そうだよ、もっとやり方があるだろ!やり方!」
「やり方・・・そうですよね。やり方を考えていかなくてはいけないですよね」
「そうだよ、このままじゃ締め切りに間に合わないじゃないか!」
「そうですよね、締め切りに間に合わないですね。」
上記の対話を文章だけでみると、バカにしたような対応に感じられるかもしれませんが、ネガティブモードになっている相手の「効率的に進められないのか!」に対して、「じゃぁ、どうすればいいんですか!」と聞かずにおうむ返しをすることは、相手は混乱せずに冷静さを取り戻すことができるのです。
上記の対話の後に、「この時期で良いですか?」➡「いや、それでは遅すぎる」➡「だとするとこんな感じで良いですか?」などと聞きながら、炎上せずに落ち着いて話すことができたのです。
相手の否定的な言動に巻き込まれないこと!おうむ返しとクローズドクエスチョンで相手が沈下するのがわかるはずです。お試し、いかがでしょうか?
正しいティーチングとは教えることではなく、気づきを与え意欲を喚起すること。
一般的に『ティーチング』とは相手が行動する際に「知識不足」がある場合、指導者が情報を提供することで行動を促すスキルのことです。
学校生活を思い出すとわかりやすいですよね。
先生&生徒=ティーチャ&スチューデント
知識を教えてる人=先生=ティーチャーです。
職場では部下を育成する際に、相手の知識不足・経験不足を感じてティーチングするのですが、今日某企業の人事の方と
「効果的なティーチングとは何だろう?」
というお話になりまして、・・・あらためて考えてみたのです。振り返ってみても同じ先生から学んでいるのに、成績が上がるタイプと上がらないタイプがいたりしたわけで、知識を与えるだけで望ましいアウトプットがあるかどうかは期待し過ぎないほうがいいようです。
職場でティーチングスキルを使っている場面は、大きく分けて以下の2つではないでしょうか。
①初めての仕事を依頼するとき。
②部下に仕事を任せたけれど、うまくいかなかったとき。
そこで、上司が求めているアウトプットが出てこないと『なんでこうなった?』という対話が始まるのですが、これがこじらせのもと。
部下本人は、上司の依頼通りにやった「つもり・・」になっているのに、部下のがんばりを言葉にしないまま「こういうつもりじゃなかった・・」とティーチングが始まれば何が起こるかというと
「お前の指示が悪いからじゃないか・・」と他責の部下を育ててしまうことになるんです。
上記の記事に「ティーチング」とは、【気づきを与え、意欲を喚起する】と定義づけされていました。
「気づきを感じ意欲が喚起できるティーチング」になるためには、部下自身が「アウトプットには何が必要だったんだろう?」と当事者意識をもって仕事に取り組んでいる必要があります。
・俺は(私は)がんばったのに、なんで認めてくれないんだろう。
・言われたとおりにやったのに、上司として上手に伝えるスキルを身につけろよ。
と思っていては、成長に時間がかかるかもしれません。部下に対して「気づき」と「意欲」を後押しするティーチングスキルを活かすためには、自分の望むアウトプットと異なったとしても、それは自分の「伝えるスキル」の結果であることを受け止め、相手の頑張りを認めてから、相手を責めないティーチング、相手の気づきにつながるティーチングを実践していきましょう。
ご参考になれば幸いです。
採用時の期待と入社後のパフォーマンスの違いはズレ感を感じた時に早期対処すべき。
人材育成の課題は、さまざま・・。
管理職の育成はなかなかマニュアル通りにはいきません。そこで上記記事の中の失敗談を参考に、ひとつのアプローチ方法をご紹介しております。
■失敗談B
中途採用で入社した部下を即戦力だと期待し、若干放置をしてしまった。気づくと前職の仕事の進め方を持ち込んでミスをしたり、一般常識が欠けてクレームを起こしたりと予想外の出来事が重なった。初めにコミュニケーションを重ねておけばと後悔した。
実は、上記の失敗談・・・。私も経験があります。
即戦力だと聞いて安心して?放置して、その部下からいろいろ質問されても、相手の考えを尊重したくて「どうしたいの?」とこちらから教えないスタンスでかかわっていたのですが、次第に本人が自滅して半年経たないうちにやめてしまったのです。
紹介会社から仕事内容を聞いたときは、自身の経験から「できる!」と自信を感じて、即戦力としてできることを面接でもアピールしたのですが、実際入社してみて、会社のスピード感、求めらいるレベル感に焦りを感じた様子でした。
だからこそ、必死でついていこうとしたんでしょうね。
その必死さは、「即戦力の人材だよ」と聞かされていた私には届かなかったんです。今思うと、ホント自分の事しか見えていなかった・・・。
がんばろうとしていた心の傷に塩を摺り込んでいたんです。
失敗談Bよりもかなりまずい対応です・・。新しい会社でミスを起こさないように、今までと違う環境に早く慣れて成果を出せるように努力しようとしていたことが見えなかった。私には失敗したくないという気持ちが強く見えて、自分をよく見せようとしているように感じてイライラしてた・・・。
『部下の気持ちを理解する』というマインドが完全に欠けていて、極端な指導だったんだと思います。
どこの会社でも、採用時の期待と実際のパフォーマンスにずれが生じることがあります。最初の期待が正しいと思い込みすぎて関わってしまうと、おかしな方向に進んでしまいます。
リカバリするためには、コミュニケーションを積極的にとることと、お互いにしっかりと現状を把握することが大切。どんな目標に向かって、どんな理解で、自分ができることの範囲とサポートが必要な範囲を理解した上で、今、必要なことを共有する場が大事です。
過去に戻れるなら、「なんだかおかしい?」と思ったときに、その共有の場を設けたい。お互いのズレ感を確認していれば、その部下は辞めずにそのスピード感ある会社で活躍できたと思うと・・・。
反省しても過去のお話なので、責任を感じるよりは彼女から教わったことを活かした活動をしていくことで恩返しするぞ・・と言い聞かせています。
参考になれば幸いです。
能力不足の部下には、期待している成果を伝えて支援すること。
「仕事に対する価値観が違う部下」をマネジメントする声をよく耳します。『価値観の違いを理解してサポートしなくてはいけないことはわかるけど、具体的にどうしたらいいのかわからない・・・。」というご相談も受けます。
なかなか簡単ではないですよね。上司として、その部下をサポートしたいと思っていても、好き嫌いの感情が混ざってくると伝えたくても伝わらなかったり、自分の当たり前と相手の当たり前が違うと、どうしていいのかわからなくなったり・・・。
ケースバイケースで・・・だと、解決案がみつからなかったり・・・(゚∀゚)
少しでもお役に立てないかな~と考えて、上記の記事にあった失敗談をどんな風にアプローチするか考えてみました(*^-^*)
■失敗談A
期待している成果と部下の能力にギャップが生じたとき、能力不足を責めてしまった。スキル不足は上司の責任であると気づき、部下のスキルを的確に把握と期待している成果とのギャップが埋められるような施策を取るように考え方を変えた。
この上司は、相手を変えようとせずご自身を変えようとしたところがいいですね。そして、能力不足が事実だったとしても事実を責めてしまうことで、
『そっか、能力不足だったからうまくいかなかったのか!』
と感じて、頑張る部下はほとんどいないですよね。そしてスキル不足はすべて上司の責任であるとも思えません。もちろん職場環境にもよると思うのですが、部下自身もスキル不足を補う行動を起こしたかどうかは自立支援のポイントになると思うのです。
「期待する成果」と「能力のギャップ」が埋められるような施策は、上司からのアドバイスだけではなく部下にも考えてもらうと当事者意識が芽生えるように感じます。
また施策だけでなく、「期待する成果」に対する捉え方、その成果に必要な「能力」の理解度、そして部下自身の現時点でのスキルの認識合わせも必要ですよね。ここがズレていくと、ギャップもずれていきます。
これまた、1度の面談では理解したつもりでも、『つもり』になっているかもしれません。言葉で補えないときは、実際に成果に向かっているプロセスの途中で、正しい方向に向かっているか、修正が必要かをヒアリングするといいと思います。
忙しい時間の中、上司が考えたことを伝えてやってもらうほうが「効率的」に感じるかもしれませんが、捉え方や理解が異なると仕事の手戻りが発生してしまい、結局上司の仕事が減らない状況になってしまいます。
部下に「成果」と「現状」のギャップをどう埋められるか、その「考え方」をサポートすると、似たようなケースが出た場合に自分で考えられるように育っていきますよ。
ご参考になれば幸いです。
コミュニケーションのずれは、慣れ親しんだ言葉の違いから発生する。
50代に入っても、これって正しい敬語だっけ?
なんて、あらためて確認することがあります。
今日は、ふと「承知しました」と「了解しました」に違いはあるのか?と思いチェックしてみたのでした。
実は、私が30代~40代にかけて仕事をしていたIT企業では、なんでもかんでも、誰でもかれでも『わかった』ときの返信は、すべて『了解しました』が文化だったんです。
最初の頃は、「なんだか自衛隊みたいで、やだな~」と感じていた私自身も、郷に入っては郷に従えで、「了解しました」を違和感なく使うようになってきました。友人とのやりとりでも、「了解!」で簡単にやりとりできる機会も増えてきたので慣れてきたのもあったのかなぁ。
それが、とあるプロジェクトで関わったマネージャーさんが「了解しました!」を使わないことに、これまた違和感を感じた自分がいたりして・・。ちなみにその方が使っていたのは「承知しました」だったんです。
なんだか・・・承知しましたって、固いな~(了解するのが柔らかいのか?と言う疑問も残りますが・・・)
私が何度「了解しました」を使っても、「承知しました」で返ってくる。
今までとの違いを知りたくて、検索してみました。
「了解しました(丁寧語)」➡目下、同僚に使う言葉。
「承知しました(謙譲語)」➡取引先や目上の方に使う言葉。
「了承しました(丁寧語)」➡目上の人が部下に使う言葉。
「かしこまりました(謙譲語)」➡取引先や目上の方などから依頼を受けた時に使う言葉。
私が10年在籍していたそのIT企業は、フラットな組織運営だったので丁寧語は使われていても、謙譲語を使う習慣があまりなかったことに気づかされたのでした。職場環境、文化って違いを知らないと恐ろしいことになりますね。
多分、承知しましたを使っていたリーダーは、私の「了解しました」に違和感を感じていたはずです。もしかしたら心のどこかで、『一般的に目上の人に使う言葉は、承知しましただろ!』とイライラしていたのかもしれません。
今日のような分析をする前に、直接「一般論」を語られていたら、私の「一般論」を伝えて議論になったかもしれません(笑)
いままで慣れ親しんだ環境で学習したことを「一般論」で片づけられると、自分の過去を否定されたような気分になります。そこが、コミュニケーションのずれの始まりです。
もともと違った環境で生きてきた相手です。だからこそ、相手の正しいを否定せずに、相手の正しいがどこからきているのか、ちょっぴりでいいので関心をもってみてください。
試してみませんか?
自分の価値観を大切にするために、相手の価値観を大切にする。
昨日は、1日コーチのための「講師養成講座」でした。
参加者の方々は、自社の中でコーチングを広めたい方や、コーチングを広めたいクラアントを支援しているコーチの皆様方。最近は、どの企業も「目標管理面談」の導入に苦戦しているお話がありました。
私自身、会社員のときに「目標管理面談」でいい思い出がありません(笑)
とあるA上司は、4月に目標を共有したら半年放置プレイ。
とあるB上司は、「君はどうしたい?」と聞いてくるので、自分の考えを述べると「それはわかるけど、どうすればいいと思う?」とツッコミが・・・。B上司が考えていることを探り当てるまで面談が続くという、ある意味拷問時間でした。間違ったコーチングをしていたようにも思います。
だけど、C上司は違うアプローチでした。
まずは部が目指す方向を共有した上で、さらに一緒に頑張っていきたい言葉を述べてから個別に面談する時間を設定していました。その上司は自分が伝えた目標に対してやってみたいこと聞くことから面談を始めたんです。情報を得てからの面談は部下として心の準備ができましたんです。
だからこそ、私自身が面談を実際にするようになって心がけてきたことがあります。
それが「価値観」。
今日はこんな記事も見つけてみました。この記事の中にも、『自分の価値観と行動が一致しないとフラストレーションがたまる』と書かれています。
実際に行ってきた例として、2つご紹介します。
・管理職の価値観が「報酬」に対して、部下が「時間」を大切にするケース
管理職からの相談でした。人手不足で残業気味の部下が不機嫌で、どのようにモチベーションをあげたらいいかというテーマでした。管理職の方の価値観は「報酬」なので、なんとかお金が増えるという言葉で部下の気持ちに応えようとするのですが、一向に変わりません。そこで、「時間」に焦点を当てた言葉がけをしてもらうことにしたんです。
「もっと効率的になるのにって感じていることある?」
「一週間で比較的帰りやすい曜日は、何曜日?」
などなど、お金が増えるからがんばれ!ではなく、忙しいけど時間を確保する方法を一緒に考えていく姿勢を見せる・・・。その姿勢を見せることで、部下のモチベーションに変化が現れました。
・リーダーの価値観が「向上心」に対して、部下が「承認」を大切にするケース
リーダーからの相談でした。ネガティブなことばかりを言う部下を放っておけず、関わってしまうと仕事の効率が悪くなって不満が募るというもの。リーダーとしてもっと仕事を覚えて上司から評価されたいのに、この部下が足をひっぱるので困っているとのことでした。昇進することに意欲的だったので、こんなアプローチをしてみたんです。
「昇進するのに必要なことってなんだろう?」
「上司はどんなひとを昇進させたいと思う?」
昇進=成果だと考えていたのですが、リーダーやマネージャクラスになると成果だけでは評価されない。やはり部下とどうコミュニケーションをとるかも評価対象になってくるということに気づいたようでした。そこからは不満ではなく、自分の対応方法を工夫することに意識が向かったようです。
お試しあれ♪
相手のクレームを前向きに捉える姿勢とは?
サービス業をしていると、クレームはつきもの。
以前、学習塾にコーチング研修をしたときに「クレームもコーチングでなんとかなりませんか?」なんて相談を受けたことがありました。
またお客様相談室への異動を受けて、後ろ向きになってしまっている方の相談を受けたこともあります。
そういう意味でも、クレームは誰しもいい印象がないですよね。
それをカルビーさんは、言葉の如く『お客様相談室』にしているところが、視点を変えた考え方だなと思いました。
何が、視点を変えてるか?というと、この記事内にもありますが、
クレーム=苦情
お客様相談=ご意見、要望
という捉え方です。
お客様のお話がいくら意見や要望だったとしても、「べき論」や「責め口調」、「早口」だとしたら、残念ながら【クレーム】のように聞こえてくるのですが、どんなお話も「ご意見・ご要望」として扱う関わり方がファンを増やしている要因なんだと感じさせます。
このお話・・・カルビーさんすごいな~で終わらせることもできますが、
なぜこのブログで扱ったかと言うと、ビジネスコミュニケーションにも同様の視点が必要だと感じているからです。
自分にとって「不利益な話」「理不尽な話」は楽しいはずがないし、その話を聞いて一言二言、弁明したくなってしまう。もしかしたら相手は意見として、要望として言っているつもりかもしれないけれど、責められたと感じて戦ってしまうかもしれない。
上司が自分に苦情的なアドバイスをしてきたからといって、存在まで否定しているわけではないのにそのことにこだわって戦う時間はとてももったいない。戦うことで評価まで下がってしまうことになるのに。
相手のクレームに、迎合する必要はない。ただ真摯な対応はお互いのために必要。
お互いの関係が上下・・・とかではなく、そのクレームから何を学べるのか?上司から指摘されたことから何を学ぶのかが大事に思う。言われたそのタイミングは、胸がチクッとするかもしれないけれど、それは成長のスイッチ。
頭ではわかってはいるけれど・・・と思う方は、葉山のマンツーマン講座もご利用くださいませ!あなたのコミュニケーション環境を応援します!