ビジネスコミュニケーションのあれこれ

ビジネスコミュニケーションのヒントになるような記事ピックアップして、実践的な考え方や気づきを綴っています。

本音が聞ければ、今の問題が解決すると思っている。

企業で管理職向けに

コーチングの研修を提供していると、

『本音が引き出せない』

『本音を話してもらいたい』

という声をよく聞きます。

 

「部下育成に意欲的だな~」

「一生懸命になっているな~」

「話してもらおうと努力しているんだな~」

と感心する一方で、

 

「本音が引き出せたら、解決できると思っていないかな」

「本音の定義は何かな?」

なんてことも、考えたりします。

 

管理職の方が、コーチングスキルを学んで、

本音を引き出せたら、

だいたいはこんな会話になってしまいます。

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上司:最近、なんだかパフォーマンスが落ちているように感じるけど、どうかな?

部下:はぁ、まぁ、なんとかやってます。

上司:なんとかやってるって、歯切れが悪いね。正直な気持ち聞かせてよ。

部下:本音をいうと、この仕事に対してモチベーションがあがりません。正直非効率なことをやらされていると感じています。

上司:はぁ?ちゃんと説明しただろ。これをやることで、次の顧客獲得につながるって。

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上司は、部下から本音が聞ければ、

今のうまくいっていないことが解決すると

期待していますが、

 

部下が本音をいうときは、

上司が「ききたくない情報」が

ほとんどだと言えるでしょう。

 

部下は、勇気をもって本音を言ったときに、

上司が「それが聞きたかったわけじゃない」

という反応をすると、

その後、本音はきけません。

 

部下の具体的な思いもきけませんし、

自分の考えに対しても、

素直に応じてくれる機会が減るでしょう。

 

だって、

「それが聞きたかったわけじゃない」

って、

『自分が聞きたい情報だけがほしい』

と言っているようなものなので。

 

自分の意見が断たれた感じです。

 

部下との関係性をあらためてつくり、

その後の仕事を円滑に進めるには、

部下が言っている内容に振り回されず、

 

「おお、そうか、素直に言ってくれてありがとな。」

「意味がないと思ったままじゃ、気持ちのらないよな」

 

そんな言葉を相手に伝えてみてください。

 

そうすると、部下は、

「あ、いや、こちらこそ、すみませんでした。

仕事なんで、やる気とかの問題じゃないですよね。」

なんてことも言ってきたりする。

 

これは、実際の私の体験ですが、

「素直に言ってくれてありがとう」

この言葉を言うのにとても勇気が必要でした。

 

だって、だって、

相手に対して

コノヤロー!バカヤロー!

と思っていたんで、

その上で、

笑顔で、ありがとうだなんて、

とてもとても、

勇気がないと言えなかった。

 

だけど、

さっきまで自分の主張を述べた部下が、

自分から反省を述べたとき、

その意外性に驚いたんです。

 

これ「鏡の法則」ってやつです。

 

鏡の法則は、

怒りを相手にぶつけると、怒りで戻ってきます。

感情的になると、相手も感情で戻ってきます。

圧力で押さえつけると、反発心が芽生えます。

 

この鏡の法則をしってから、

手に入れたい「結果」をもとに、

勇気をもって実践する

コミュニケーションスタイルに変化しました。

 

もちろん、仕事が円滑に進められたことは、

言うまでもありません。